Fall in with somebody

Treadle

c0171124_0274477.jpg
SIGMA DP2 Merrill, ISO200, F6.3, 1/80(-1.3EV)


「あの黄色い土地のあたりにはさ、クーツェしか住んでないの?」
――いないってことはないよ。が、いるってことでもない。
クーツェは足ぶみにあわせてうたうようにつぶやく。
――いるといないとは、距離のもんだい。
とん、たたん、とん


麦ふみクーツェ/いしいしんじ
[PR]
# by west0731 | 2015-07-28 00:44 | 記録

いわさきちひろというひと(2006.8.31)

c0171124_23231323.jpg
SIGMA DP2 Merrill, ISO200, F8, 1/100(-0.3EV)


企画展示ブースで、ちひろさんのデッサンを見る。本当にたくさんの人々。子どもだけでなくて、本当にさまざまな人間を描いていたのだなと感心した。ちひろさんは、水彩やパステルの、混じり具合やにじみ方などについての、膨大な研究からもわかるように、「描く」ということについて、常に試索と実践を重ねてきたのだなと思う。それが、この美術館に展示されているさまざまな作品から、ひしひしと伝わってきた。
最後に、生前ちひろさんが実際にそこで過ごしたというアトリエ(を再現した部屋)を見学した。とても穏やかで、暖かくて、今もちひろさんの息づかいが伝わってくるよう。アトリエを囲む壁には、ちひろさんのアトリエでの作業風景や、家族との様子の写真が飾られていた。それらのほほえましい写真群と一緒に、ちひろさんの言葉がいくつか展示されていた。そのどれもが、はっとさせ、胸を打つ言葉ばかりだったので驚いた。

「私たちはどう生きるべきかとか、何をするべきかとか、そういうことを話し合うのです。そういう話は、私の仕事に関係のない話ではありますが、不思議なことにそういったことが、私の絵に良い影響を与えることもまた事実なのです。描き方だとか、技術的なことだとか、そういったせせこましいことから離れて、社会とか、歴史とか、そういう大きなことに自分を広げて見渡すことができるからです。」

ちひろさんは、とてもやさしくて、暖かくて、そしてささやかな強さを持った人だったと思う。それを、とても素直に、正直に絵に表わすことに、生涯をかけたのだろう。人生をかけて、自分のしたいことと、自分のすべきことの結実する場所を模索し続けたのだろう。
僕はそういう人を、ひとり知っている。少なくともひとりは知っている。自分のしたいことを、どうやって自分のすべきことと結びつけるか、そのために何をしたらいいのか、何ができるのか。いつもそれを考えて、苦しんでいる。身を削って、心を削って、そうして考えている。失敗したり、つまずいたりしながらも、また立ち上がって、一歩ずつ進んでいる。それは、とても大変で、想像できないほどにつらく苦しい営みだ。つらく、苦しいけれど、そういう人がもっと増えたらいい。僕も含めて、もっと増えたらいい。もっと強く、もっとやさしく、もっと賢く。もっともっと。
[PR]
# by west0731 | 2015-06-01 23:28 | 記録

A written letter

c0171124_23205498.jpg
SIGMA DP2 Merrill, ISO200, F4, 1/1600(-0.3EV)
赤崎水曜日郵便局



最後に手紙をしたためたのは、いつだったろうか。
俺の手紙はいつも、鹿児島への手紙だった。

気持ちを書きあらわすのは難しい。
言葉はたいてい、流れるようには出てこず、
ぽたぽたとしずくが落ちるように、ゆっくりとあらわれる。
書きとめておかねばすぐに消えてしまいそうなのに、
書けば書くほど滲んで本当のことがわからなくなる。

そうしてまぜこぜになった何枚かの便箋を、読み返すことなく封にしまう。
伝えたいものが何なのか、結局いつもわからなくなる。
手紙を書いたよ。その事実だけを伝えるために、手紙を書くんだ。

届くことのない手紙は、まだ押入れにしまわれたままだ。
読み返すこともないだろう。
そろそろ、さよならをしていい頃なのかもしれない。
そう思うのは、あまりに身勝手だと思う?

人と出会うとき、俺はいつでもその別れを思う。
[PR]
# by west0731 | 2015-05-14 23:24 | つれづれ

MOTOMACHI 02

c0171124_22321635.jpg
SIGMA DP2 Merrill, ISO200, F5, 1/640


[PR]
# by west0731 | 2015-03-02 22:33 | 記録